2021/07/05(月)
『メメント』『インセプション』『インターステラー』『ダークナイト』…… 映画史に残る名作を次々と生み出し、“21世紀に現れた天才”と称される映画監督、クリストファー・ノーラン。
彼の新作『TENET(テネット)』の公開が目前に控えた今、新たにビッグニュースが。なんと、劇中で主人公が身に着けている腕時計にインスパイアされた時計がハミルトンから登場したのだ。これが意味する歴史的な価値は、決して小さいものではない。
9月18日(金)に日本で封切られる最新作『テネット』は、ノーラン自身が構想に20年を費やしたという超大作だ。
テーマは、人類が疑いなく信じ続けてきた「時間のルール」からの脱出。合言葉「テネット」を武器に時間を逆転させ、第三次世界大戦から人類を救うというストーリーとなっている。ここで重要な役割を担うのが“主人公たちが身に着ける腕時計”である。
これを手掛けたのはアメリカの名門ハミルトンで、ベースとなったのは代表的ダイバーズウォッチ「カーキ ネイビー ビロウ ゼロ」。『テネット』のデザインチームも開発に加わり、約1年半をかけてスイスにあるスウォッチグループのラボで試作を重ね、唯一無二のカスタムウォッチを完成させた。その過程で作り出したプロトタイプは200を数えるという。
作品の世界観と絶妙にマッチしたこの時計は、見事にノーランの要望に応えた。欧州ではすでに映画が公開されているが、観客からも大いに賛辞を得ているという。
そこでハミルトンは今回、このカスタムウォッチからインスパイアされた「カーキ ネイビー ビロウ ゼロ スペシャルエディション」を発表。「映画のストーリーの鍵を握る色」であるブルーとレッドを秒針先端に彩った2タイプを用意し、世界で各888本限定で販売を始めたのだ。
『テネット』の公開に合わせて発売されたこのスペシャルエディション、まず目が向くのは近未来的ながらタフで武骨なフルブラックのルックスだ。
マッドなケースはチタニウムを採用し、強靭化と軽量化を両立した。ブランド史上最強の100気圧防水とヘリウムエスケープバルブを受け継ぐ本格ダイバーズ仕様で、ラバー製のベルトはスポーティに手元を飾ってくれる。
スペシャルエディションには、『テネット』のプロダクションデザイナーであるネーサン・クローリーが作成したスペシャルケースも付属する。
「時刻を知らせるだけではない時計を作るハミルトンの探究心、既成概念にとらわれない考え方には、いつも大いに刺激を受けている」と語るクローリーは、このケースで「映画の世界観を表現した」と言う。まさに“時刻を知らせるだけではない”特別な価値を新たに付与した。
コアな時計ファンはご存知かもしれないが、ハミルトンの時計はフィルムメーカーや映画好きからの支持が特別に厚い。なんと、これまで500本以上の映画にその時計が登場してきたと言われている。
もっとも有名なのは、やはりノーラン作品の大ヒット映画『インターステラー』のために制作された「マーフ ウォッチ」だろう。映画の重要なシーンで使われた時計がファンの間で大きな話題となり、公開から5年を経て実際に販売されるに至ったのだ。
オーシャンズ世代にも大人気の映画『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック)の時計を手掛けたのもハミルトンである。近未来的な時計は、映画の公開から数年後に発表された世界初のLED式デジタルウォッチ「ハミルトン パルサー」の開発に多大な影響を与えたという。
いい時計は、常にロマンを纏っている。今回の「カーキ ネイビー ビロウ ゼロ スペシャルエディション」も、映画を出自とするタイムピースのひとつとして時計史、そして映画史に残るに違いない。しかも現代を生きる天才、クリストファー・ノーランのそれなのだから、こんなロマンチックなことはない。
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